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命の賛歌の物語



堀米薫さんの新刊を二冊ご紹介します。


『青空 モーオー!』(Gakken)絵:Pon-marsh



陸は都会に住む小学4年生。牧場で働くいとこの大ちゃんに誘われて、夏休みの7日間を自然がいっぱいの岩手の牧場で過ごすことになる。同じ年の牧場の娘・まりんとの出会い。生まれて初めての乳牛の世話。人間も牛もトラツグミもイヌワシも……、みんな、懸命に生きている。7日間の経験を通して大切なことに気がついていく陸。和牛飼育や農業・林業を営む作家の堀米さんの作品は、どれも、「命と自然の賛歌」です。作家ご本人があとがきでも書いていますが、牛たちの息づかいと高原の風を感じる物語。Pon-marshさんの爽やかで優しい絵がさらに効果を醸しだしている。



『はくさいぼうやとねずみくん』(新日本出版社)絵:こがしわかおり



ねずみくんが住んでいる畑に、ちょこんと生まれたはくさいぼうや。ねずみくんに向かってこう言った。「きみ、ぼくのともだちになってくれる?」さあ、ここから、二人の友情物語が始まります。自然の摂理と厳しさの中、まったく異質なもの同士が認めあい思いやることで、希望の光が見えてきます。ラストへ向かい、じんと心にしみていきます。この絵本もまた、命の賛歌の物語です。こがしわさんのなんとも温かい絵は、さらに主人公たちへの愛おしさを倍増させてくれます。はくさいぼうやの教えてくれたこと、わたしも忘れないからね!


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