あの日から12年。宮城県で被災した私にとっては、絶対に忘れられない、いえ、けっして忘れてはいけない日です。
佐々木ひとみさんが、あの日から4日間のご自身の体験をもとに、児童書を出版されたので、ご紹介します。
『ぼくんちの震災日記』(絵・本郷けい子 新日本出版社)
ぼくたち家族は、2011年3月11日午後2時46分、住んでいる仙台で大地震に見舞われます。それから、ぼくたちの「がんばろう週間」が始まります。
「何をがんばるの?」とたずねた主人公友樹に、お父さんは答えます。
「それは、生きることです」
この発想がすばらしい。「生きること」をがんばることで、「生きること」の大切さを友樹たちは、実感していきます。
たいへんだった日々ではなく、がんばった日々をつづったこの物語は、作者の実体験があったからこそ、絵空ごとではなく、読者にとってまるで自分たちも一緒に生きていることを実感させます。
何年たっても、残したい大切な一冊です。
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