沢田俊子さんの『盲導犬引退物語』(青い鳥文庫)読んで、感動で涙が止まらなかった。
年を取り、または、病気になり引退した盲導犬は、役に立たないどころか、引き取ってくれた家庭で、癒しのオーラを放ちている。話すことができない命への神様のプレゼントかもしれない。
物語の冒頭、死の危機迫る拒食症の少女を救った引退犬バルダからは、老いても尚出来ること、を教えてもらった。
盲導犬になる前の子犬の間だけ育てるパピーウォーカーの小口さん一家は、なんと、12頭のパピーを育て、その子たちの数頭が引退犬になった時、また引き取り最後まで看取った。こういう方たちがいらっしゃるからこそ、引退犬も幸せな末路をむかえる。小口さんたちは、命は最後まで尊いことをよくわかっていらっしゃるし、それを物語に編み上げた作者の愛が染み入ってくる作品。
秋の夜長に心震えました。
Comments